おしゃれなガルバの家をローコストで作るには

近年は屋根や外壁によく使用されるガルバリウム鋼板は、家づくりを検討されている方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ガルバリウムはスマートな外観がおしゃれな素材で人気を集めており、パッと見ても印象に残る外観の家から、自然に風景に溶け込みながらも他の家とは一線を画すような家の屋根や外壁にも使われています。

一方で「無機質なイメージがある」「安っぽく見えるかな」など、ガルバリウムを採用するか迷っている方もおられるでしょう。

そこで今回はガルバリウムについてなぜここまで人気を集めているのか、その人気の理由についてご紹介します。


ガルバリウムを採用する人が増加中

人気を博しているガリバリウムの家ですが、現在でも住宅に使用される建材として非常に多いのはサイディングと呼ばれる外壁材で、実はこのうちの一種類なのです。

サイディングには樹脂系や木質系など素材はいくつかありますが、中でも最も多く使用されていたのがセメント質を主な材料としている「窯業系サイディング」となります。

窯業系サイディングの更に前は、モルタルが外壁材として使われるケースが多かったのですが、現場で塗らなければならないモルタルよりも作業性に優れデザイン・カラーも豊富ということもあり、1980年代以降は窯業系サイディングを使用する住宅が増えてきました。

しかし、ここ最近はその窯業系サイディングから金属系サイディングにシフトしています。

日本サッシ協会が発表した「令和3年度 戸建住宅市場における外壁材素材別シェア」を見ると、窯業系サイディングは全体の76.8%と依然として高い割合なのですが、ガリバリウム(金属・アルミサイディング)は13.3%とその増加傾向が見て取れます。

また家の建材として外壁材と共に重要な部材である屋根材にガリバリウムを使用した家も増えており、家にとって耐用年数や外観と言った要素で大きな影響を持つこの2つの部材でガリバリウムの使用が増えているということは、建材としての優秀さを示しているとも言えるでしょう。

このガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカで開発された、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のことです。

アルミニウムの特徴である耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、従来の鋼板よりもさらに耐久性に優れ、あらゆる用途に対応できる画期的な鋼板とされています。


外壁・屋根の素材の種類

前述の通り、住宅にとって耐久面や機能面、そして外観の印象を大きく決定付けるのが外壁材と屋根材です。 窯業系サイディングやガリバリウム以外にも様々な種類の材料が使用されています。 

①外壁材
外壁材で一般的な工法は、外壁に板状の外装材を貼り付けたサイディングという工法です。

サイディングの素材には、アルミ、スチール、セメントなどがあり、同じサイディングでもタイプが異なりますが、現在では7~8割が窯業系サイディングを使用しています。

窯業サイディングは、セメントと繊維質や無機物を混ぜて板状に成形し、養生・硬化させた外壁材で地震に強く防耐火性に優れつつデザインが豊富で、価格帯が幅広く安く施工が可能です。

特に強みの一つであるデザイン性は、シンプルなものから本物のようなタイル調、石積み調など色々な商品があるため、どんな外観でも対応できます。

その他割合としては少ないのですが、天然の木材に塗装をして仕上げた木質系サイディングや塩化ビニルを使用した樹脂系サイディングなどが窯業系サイディングやガリバリウムと同じくサイディング系統の外壁材です。

また1980年頃までは壁材の主流だったモルタルやモルタルの上に加工を施すジョリパット、アクリル系の材料を使用したリシンなどが現在でも一部で使用されています。

その他では通常のコンクリートを4分の1程に軽量化した軽量気泡コンクリート、鉄筋コンクリートやレンガ・タイルを使用したものや漆喰や板張りなども存在しますが、7~8割が窯業系サイディングでそれに続くのがガリバリウムということからもわかる通り、外壁材としてのデメリットが大きくあまり利用されなくなっているのが現状です。


②屋根材
屋根材には大きく分けて、金属系・スレート系・、セメント系・粘土系の4種類に分かれ、地域にもよりますが、その中でもスレート系の一つである化粧スレートが一番よく使われています。

化粧スレートとはセメントに繊維を混ぜて固めたもので、耐用年数と価格のコストパフォーマンスに優れた屋根材で、メリットとして挙げられるのは、工事価格が安く瓦よりも軽量で耐震性が高い点、そして施工も簡単なので工事可能な業者が多い点です。

また、カラーバリエーションが豊富な点も大きなメリットと言えます。

デメリットとしてはメンテナンスが必要、割れやすい、劣化による色褪せが目立ちやすいことなどです。

スレートには他に天然スレートという玄昌石という石を薄く板状にした屋根材や、セメント系のスレートが有りますが、重さやデザイン性、そしてコストパフォーマンスの面で総合的に優れた化粧スレートの人気が高くなっていました。

またほかにも安価なものの耐久力などで見劣りするトタン屋根や、逆に耐用年数は100年以上持つといわれているものの重たく耐震性の低い日本瓦なども使用されていますが、スレート系に比べ現在では使用される割合は極端に低くなっています。

近年人気になっているガルバリウム

そんな窯業系サイディングや化粧スレートに代わり人気を集めているのがガルバリウムを使用した外壁材や屋根材です。

外壁材としては窯業系サイディングと比べて長期間メンテナンスの必要が少ないのが大きなメリットで、水分を吸収しない鋼板製の表面のため耐凍害性にも優れ、寒冷地でも使われるなど場所を選ばず使用できます。

そして人気が高まってきた理由としては、それまでデザイン性に優れた窯業系サイディングと比べてデザイン性に劣っていたところが、レンガ調や石積み調などのデザイン性の幅が出たことと、元来のデザインの自由度が相まって来たことが大きく関係しているのです。

ガルバリウムが注目される理由

ガルバリウムは金属ということもあって工業的で無機質なデザインをイメージする方も多いかもしれませんが、実は様々な色・デザインの商品があり、木材のような自然素材との組み合わせで個性的&おしゃれな外観を実現できます。

また外壁材としてサイディングと比較したときに、施工費用が高めというデメリットがあるものの、耐久期間やメンテナンスの手間が少なく、また屋根材としても軽量で建物の負担が少ないことから耐震性が高いことを併せても、コストパフォーマンスが良い建材として理想の素材だと言えるでしょう。 そういった点から建材としてガリバリウムが注目されているのです。


ガルバリウムの家のメリット・デメリット

ガルバリウム鋼板のメリットとデメリットはそれぞれどのようなものがあるでしょうか。

●メリット●

1⃣軽量で家の基礎部分に負荷をかけにくく、耐震性が高い
2⃣金属素材としては錆びにくい
3⃣防水性が高く汚れがつきにくいので自分で水洗いも可能
4⃣現在の屋根に新しい屋根材を重ねて施工する安価な工事方法である「カバー工法」に最適
5⃣複雑な形状の屋根にも対応できる
6⃣耐久性が高い(一般的に30年ほどと言われています)
7⃣断熱性と遮音性が高い(雨音も室内に響きにくい)


ガリバリウムの外壁材は板厚が2~3㎜程ありますがルバリウム鋼板自体の厚みは1㎜もなく、その重さは窯業系サイディングのおよそ1/3です。

また金属系素材はどうしても錆びが劣化の主な原因ですが、ガルバリウム鋼板は高い防食性により非常に錆びにくく、トタン材の寿命が10~20年に対し、ガルバリウム鋼板は20~30年以上の耐用年数が期待できます。

そして最大のメリットは、カラーバリエーションが豊富な点です。

素材として熱を反射するもの、艶を抑えたものなど種類、塗装によるカラーバリエーションが豊富です。塗料によっては耐久性を高めたり、防音効果なども期待できます。

※カラーバリエーションの一部

●デメリット●

1⃣厚みが非常に薄く凹みや傷がつきやすいため錆びの原因になる
2⃣防音性が低く、金属なので雨音が大きくなりやすい。対策として表面や下地に防音加工をする必要が出てくる
3⃣断熱性や防音性を高めるために追加工事が必要
4⃣再塗装の難易度が高いので、これもメンテナンスのコストアップの要因となり易い
5⃣塩害に弱いので、海に近い地域では注意
6⃣比較的新しい素材なので、経験豊富な施工者が少ない


ガリバリウムに限らずデメリットがゼロの素材は無いので、こうしたデメリットをどうとらえるのかは家を検討している方の価値観に大きく左右されるでしょう。

但しそういったデメリット部分を踏まえてもガルバリウムはデザインと使い勝手のバランスが良い素材だと言え、その他の建材が抱えているデメリットと比較しても設計や施工時の工夫、そして住んでからのメンテナンスで対応可能な内容がほとんどです。

また「施工者の経験度」という点については、ガルバリウムを採用した施工事例が多い業者さんであれば問題のない範囲となりますので、依頼する施工業者を選定する段階で解決できるでしょう。

ガルバリウムの家の魅力

前述の通り、近年ガルバリウム鋼板が注目を浴び始めた傾向としてバリエーションが豊富になったことも大きな一因です。

金属素材は錆びの原因となる傷をつけないように加工することが難しくシンプルなデザインが多かったのですが、各社メーカー技術の進歩によりモダンやスタイリッシュなデザインが揃っています。

軽量基礎部分に負担をかけず複雑な形状の屋根にすることができ、さらにカラーバリエーションが豊富なガリバリウムは、屋根材としても外壁材としても人気が高くなっていますが、その理由はデザイン性の高さと建材としての機能性がハイレベルでバランスがとられているのです。

例えば、ガルバリウムの防水性が高く汚れがつきにくく清掃がしやすい点を生かし、通常の外壁であれば敬遠されがちな白のカラーリングにすることもでき、定期的な水掃除で長期間状態を保つことができます。

また黒やダークグレー系のガルバリウムは建物にシックな高級感を与えてくれますし、シルバー系はメタリックですっきりとした印象を、青であればモダンな外観でデザインすることが可能です。

こうしたガルバリウムは色や柄のバリエーションが増えていますし、外壁や屋根として採用するのに最適なメリットが複数あります。


ガルバの家を費用を抑えて建てる工夫

ガリバリウムを使用した住宅に限らず、家を建てる際になるべく良い家を、費用を抑えて実現するには様々な工夫が必要です。

例えば平屋だと屋根や基礎の面積が広くなり、3階建てだと構造計算が複雑になります。そのため住宅の形をなるべくでこぼこさせず、可能なかぎり1階の大きさと2階の大きさが同じ総2階建ての間取りにしたり、平屋や3階建ではなく2階建てにすることで費用は安くなります。

また家を建てるにあたっての譲れない点をいくつか決めて優先順位を決め、さらにそれらの優先順位と予算を守ることのどちらが大事かを決めてしまうなども有効です。

そうした内容は専門性が非常に高くなってくるので、施工会社や住宅販売会社の経験豊富な担当者とよく相談し決定すると良いでしょう。

ガルバリウムの家づくりで実現できること

そうした“実現したい理想のマイホーム”を計画する際に、ガリバリウムの持つ特徴は大きな助けになります。

家の設計上制約になる事も多い屋根のデザインに関しても屋根材として軽量で高強度・高耐久という特徴は、高い耐震性能と外観のオシャレなデザインを両立することが可能です。

また外壁材としてもメンテナンスが容易で、カラーリングもブラックやシルバーなどのインパクトのあるカラーも、ホワイトの様な汚れを気にして周囲の住宅が選ばないカラーも選択可能で街並みで目を引くのではないでしょうか。

また複雑なデザインの施工にも対応しているので、個性のあるデザイン性の家づくりが実現できる点は、友人知人などこれから住宅を検討している方や既に建てられた方の誰も実現できていない、あなただけの家を実現可能です。

ローコストでガルバリウムの家を実現するには

そうしたオリジナリティ溢れる家を建てる場合に限らず、注文住宅など1品物の住宅は建材もオーダーメイドなどが必要になり、どうしても価格が高くなってしまいます。

住宅会社は普段からよく使用する同一規格の建材や部材を一度に大量に購入し1つ1つの材料費を抑えることができていますので、一軒一軒の住宅の材料費などを抑えることが可能なのです。

こうしたボリュームメリットを生かしやすいのは、カスタマイズされた設計や部材を使うのではなく、実績のある規格品をベースに設計する「規格住宅」を利用すると良いでしょう。

この「規格住宅」は、すべてを個別に設計していく注文住宅に比べ、構造体や躯体、基本設計などがある程度決まっているため、建材や部材のコストを抑えつつ、外観のこだわったところのみオリジナリティを出すことも可能で、かつ完成がイメージしやすいというメリットもあります。

ガルバリウムを使った家づくりのススメ

近年その建材としての優秀さが注目され、使用率が増えているガリバリウムですが、施工デザインの自由さを上げたことにより個性のある家を簡単に立てることができる時代を開いた材料と言えるのではないでしょうか。

新時代の建材「ガルバリウム」と「規格住宅」を組み合わせてコストを抑えつつあなただけの住宅を建てることができるでしょう。

検討されている方は、一度是非住宅産業センターにご相談してください。

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