【新築で太陽光を設置するか迷っている方へ】メリット・注意点など後悔しないポイント大公開

新築住宅を建てるとき、太陽光発電を設置すると電気代が節約できるのか、将来的な売電収入を期待できるのかなど疑問がたくさん浮かぶことでしょう。

本記事では、太陽光発電のメリット・デメリットや注意点などを解説します。
費用感のほか地球環境についても考え、後悔しないマイホームを建てましょう。

太陽光発電って何がいいの?

太陽光発電とはそもそもどのような設備なのか、設置するメリット・デメリットを解説します。

太陽光発電とはなにか

太陽光発電とは、太陽光を電気に変換することを意味します。
新築住宅にソーラーパネルを設置することで自家発電が可能になり、電力会社からの電気の購入を最小限に抑えられます。
発電した電力よりも使用する電力が満たない場合は、従来通り電力会社から供給された電力を使用可能です。
余った電力は、電力会社へ買い取ってもらいます。

新築住宅に太陽光発電を設置するメリット

新築住宅に太陽光発電を設置するメリットは次の通りです。

・光熱費を削減できる
・余剰電力を電力会社に買い取ってもらう「売電」ができる
・災害時でもライフラインを確保できる
・地球にやさしい住まいになる

太陽光パネルで自家発電した電力は自家消費が可能なため、電力会社へ支払う電気代を抑えられます。
年々電気代は上昇傾向にありますが、太陽光発電であれば初期コストがかかったとしてもランニングコストは抑えられます。

住宅の太陽光パネルの容量は10kW以下と定められており、4.5kWが家庭用発電システムにおける容量の平均です。
太陽光パネルでつくりだした約3割は自家消費され、残りの約7割は『余剰売電制度』で電力会社に買い取られます。

台風や地震など、いつ起こるか分からない自然災害にも備えられるメリットもあります。
自律運転機能が搭載されており機器が故障していなければ、ライフラインの供給がストップしても、家電製品を引き続き使用可能です。

自然界に存在する再生可能エネルギーである太陽光は、発電時に有害物質を含んだガスを排出しません。
脱炭素化を目指す地球にとって、太陽光はやさしいエネルギーと言えるでしょう。

太陽光発電を設置するデメリット

太陽光発電を設置するデメリットは次の通りです。

・天候や気温によって発電量が左右される
・売電価格が下降傾向にある

太陽光は、「晴れ>曇り>雨」の順に発電量が異なります。
曇りの日は晴れの日の50%ほど、雨の日は晴れの日の10~20%ほどの発電量です。
太陽光パネルは熱に弱い特性があるため、夏場の熱い陽射しには発電効率が下がります。

太陽光の売電価格はFIT制度(固定価格買取制度)によって決められています。
FIT制度とは、太陽光などの再生可能エネルギーを、電気事業者が買取るときの価格を国が定めるものです。
10kW以下の売電価格であれば、2015年は33円/1kWでしたが、2023年には16/1kWと売電価格は年々下降傾向にあります。
余剰買取制度は10年の固定期間が設けられています。
10年間は1kWあたりの買取り金額は変更されませんが、10年後に売電価格の値下がりが予想されます。

太陽光発電を設置するときに検討するべきこと

太陽光発電の設置を検討している際には、次の項目についても把握する必要があります。

・補助金の活用
・売電と自家消費のバランス
・蓄電池の活用
・メンテナンスや保証

さまざまな視点から考えて、太陽光の設置の検討をするとよいでしょう。

補助金の活用

2024年2月現在、太陽光発電システム単体の設置だけでは、国の補助金が活用できません。
しかし、太陽光発電システムなどを設置した「ZEH住宅」を対象としたZEH補助金では、補助金が最大112万円もらえます。

・ZEH支援事業:最大100万円/戸
・次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業:100万円/戸
・次世代HEMS実証事業:112万円/戸

出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ「経済産業省及び環境省による戸建ZEH補助事業

また、自治体によって独自の補助金制度をおこなっているケースもあります。
たとえば、東京都では新築住宅において、12万円/1kW(最大36万円)の補助金が受けられます。

出典:東京都環境局「太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業

家を建てる予定の自治体のHPや窓口などで確認してみるとよいでしょう。

太陽光発電システムが盛んになりだした2012年では、4.5kWの太陽光パネルの設置には200万円ほどの費用がかかりましたが、現在ではおおよそ半分の100万円ほどで設置が可能です。
補助金をうまく活用し初期コストを抑えるとよいでしょう。

売電と自家消費のバランス

太陽光発電の一般的な自己消費率は3割ほどです。
太陽光発電の容量や電力会社の電気代、電気を使う時間帯などライフスタイルによってもどのような使い方が節約につながるのかは異なります。
しかし、電気代が高騰しており売電単価が下がる今日では、容量の大きいソーラーパネルを設置して売電収入を得るよりも、効率的に自己消費して節約するのがよいと言えるでしょう。

蓄電池の活用

太陽光発電システムの設置時には、発電したエネルギーを効率よく使える蓄電池の設置についても検討するとよいでしょう。
蓄電池とは、電気を蓄えておけるバッテリーであり、次のメリットがあります。

・発電できない夜間にも余剰電力を使える
・一定期間電力を貯めておけるため災害の長期化にも安心
・売電単価が下がっても貯めた余剰電力を使えるため節約になる

将来的な売買単価の値下がりや災害にもより備えられた家づくりになるため、蓄電池の設置にかかる初期コストや寿命などを加味して検討するとよいでしょう。

メンテナンスや保証

家庭用の太陽光パネルにおいて、メンテナンスの義務はありません。
しかし、ゴミや塵などの付着による発電量の低下を防ぐための定期的なメンテナンスや、経年劣化や災害などによって太陽光パネルが故障した場合にはメンテナンスが必要です。

多くのソーラーパネルは保証期間が10年間です。
しかし、メーカーによっては20年保証であったり、有償で保証期間が延長できたりするケースもあります。
メーカー保証には製品保証のほかにも、ソーラーパネルの出力が規定の数値を下回った場合に修理などがおこなわれる、出力保証があるメーカーもあります。
長期間の使用を想定する太陽光発電システムにおいては、安心して使えるように各メーカーの保証内容について確認しておくとよいでしょう。

新築で太陽光発電を導入する際の注意点

新築で太陽光発電を導入する際には、次の注意点についても確認しておきましょう。

・発電のシミュレーションを検討する
・設置場所を考える
・費用対効果が全てではない

それぞれについて解説します。

発電のシミュレーションを検討する

どのくらいの期間で設置費用の回収ができるかなど、売電のシミュレーションが重要です。
次の計算式では、年間売電収入の目安を予測可能です。

年間売電収入=売電単価(円/kWh)× ソーラーパネルの容量(kW)× 1,100(kWh/年・kW)

たとえば、売電単価が16円/1kWで4.5kWの容量のソーラーパネルを設置すると、年間売電収入は79,200円ほどとなります。
補助金を除いて100万円の初期コストがかかるとしたら、12年以上かけて設置費用の元が取れる計算です。
あくまで目安となるため、参考程度に把握しておくとよいでしょう。

設置場所を考える

太陽光発電を取り付ける際には、次の基準を満たす必要があります。

・屋根の面積:20~30平米
・ソーラーパネルの傾斜:30度前後(推奨)
・地域:沿岸部では設置不可の恐れ

新築住宅を建てる際には、屋根の面積や傾斜のほか、家を建てるエリアも重要なため、設置前には基準をクリアするのかを考える必要があります。

費用対効果が全てではない

太陽光発電システムの設置は、光熱費の節約などの費用対効果が全てではありません。
そもそも、太陽光発電の設置が加速している背景には、地球温暖化防止があります。

1991~2020年までを統計した結果、平均気温は毎年0.54℃上昇していると気象庁は発表しています。
地球温暖化はハリケーンや大型の台風、豪雨の発生を増加させるとともに、乾燥地帯の砂漠化などさまざまな被害を増加させます。

地球の平均気温の上昇は、温室効果ガスによるものです。
化石燃料とは異なり、太陽光発電であれば発電時に二酸化炭素を排出しないため、地球の温暖化の防止につながります。

太陽光発電を活用した新築は住宅産業センターへ

新築住宅に太陽光発電を設置することで光熱費の節約ができたり、売電収入が得られたりするメリットがあります。
しかし、売電価格は年々下降傾向です。
自治体の補助金制度などで初期コストを計算し、売電するよりも自家消費率を高めるように設置するのがおすすめです。

住宅産業センターでは、太陽光発電システムを備えた家づくりをおこなっています。
どのような太陽光発電システムがよいのか、蓄電池は設置したほうがよいのかなどわからないことがあれば、住宅産業センターにお気軽にご相談ください。